LGBTQ+の人々は、セクシャル・マジョリティの大人が知らない、たくさんの財政上の課題に直面している。ホルモン治療や不妊治療、感染の多いHIV/AIDS 治療が必要で費用がかかるほか、親に受け入れてもらえず家から追い出されることもある。
そういった中、多くの人々は大都市圏に向かう。都会の方が、セクシャル・マイノリティを受け入れられやすく、治療など様々な面で進歩しているからだ。
しかし、生活費も高く、サポートしてくれる家族もいない。そのような要因から、LGBTQ+ の人々は収入が少なく、生活が貧困し、貯蓄が少ない傾向にある(*1)
また金融サービスのほとんどは、LGBTQ+の人々向けにできておらず、それどころか差別によって同性同士の場合に住宅ローンを拒否されたり、利息が高くなったりしていた。
そこでDaylightは、「LGBTQ+の人々向けのデジタル銀行」を開始した。入出金のしやすい当座預金口座や、無料のATM、前倒しの受けとりが可能。
ユーザーは、公的な証明書の名前ではなく、自分で選んだ名前でデビットカードを作れる。またセクシャル・マイノリティに関連するビジネスでは、支払いの10%がキャッシュバックされる。
さらに同社は、彼らの家族形成をサポートするDaylight Growの提供を予定している。LGBTQ(18~35歳)の3分の2以上が、家族の拡大に関心を持っているからだ(*2)
このサービスでは「承認されやすい住宅ローン」や、州ごとの法律や個々のニーズに合わせてパーソナライズされた財務や手続き等の「家族形成プラン」や「コンシェルジュ」、そして「家族弁護士ネットワーク」「体外受精と代理出産クリニックの案内」などを提供する。
アメリカで中絶禁止の合法化や、それに伴う同性婚に関する法律(結婚尊重法)の見直しも言及される中、セクシュアル・マイノリティの家族を支援することが最も必要とされている、と創業者は述べた。
DaylightはシリーズAで1,500万度絵うの資金を調達しており、今後はLGBTQ+の権利が脅かされている州の低所得な家族向けに、無料のサブスクリプションを提供する予定だという。
資金調達
Daylight:Banking for you and your chosen family
調達額:1,500万ドル(約21億円)
シリーズAラウンド
調達先:Anthemis Group、CMFG Ventures、Kapor Capital、Citi Ventures、Gaingels
参考記事
Daylight, the LGBTQ+ neobank, raises cash to launch subscription plan for family planning • TechCrunch
50 Must-Know Statistics about Income and Wealth for LGBTQ People | Morningstar(*1)
LGBTQ Family Building Survey - Family Equality(*2)
https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.1903592116