世界の資金調達 info

海外スタートアップの最新情報を分かりやすく

COVID後遺症を助ける症状追跡アプリのVisibleが、プレシードで100万ドルを調達。

COVID-19に感染した人の20〜40%は、後遺症の「倦怠感、集中力・記憶力の低下、頭痛、呼吸器官の不調」などに悩まされている。

WHOによると、その数はパンデミック初めの2年間で、ヨーロッパだけでも1,700万人以上、世界全体では1億4500万人以上にも上る(*1)

 

ところが、この後遺症について明確な診断や薬による治療も行われておらず、政府もその影響の大きさを理解していない。

そこでVisibleは、コロナ後遺症に苦しむユーザー向けに、スマートフォンで体調を測定及び管理できるツールを提供する。

 

後遺症の最大の症状は「運動後倦怠感(PEM)」であり、わずかな運動でもその後に症状が悪化することがある。これに対する対処法の一つは、運動と休息のバランスをとる「ペーシング計画」であり、同社はこれをアプリ又はウェアラブル端末によって手助けする。

スマートフォンのカメラにあるPPGと呼ばれる技術で、肌の色の小さな変化を検出し、人間の心拍変動を分析する。ユーザーは毎朝60秒間、カメラのレンズに指を置くことで、身体状況を可視化し、追跡できる。

活動レベルが一定以上になると、有酸素障害が生じて症状が悪化する恐れがあるため、Visibleは過度のアクティビティがあると通知を送る。ユーザーは回復を妨げる症状の悪化を防ぐだけではなく、自分の重症度を客観的な数値に基づいて判断できる。

 

現在は無料版のみだが、今後は月額10ドル(1400円程度)の有料サブスクリプションとウェアラブル端末で、より詳しい症状の分析を行えるようにする予定だ。

さらに症状や生体認証データを医療機関に提供することで、治療と研究に役立てようと協力していると述べた。

 

Visible:https://www.makevisible.com/

調達額:100万ドル(約1.4億円)
プレシードラウンド
調達先:Octopus Ventures、Calm/Storm、Hustle Fundなど

参考記事

Visible launches activity-tracking platform to tackle long COVID •

At least 17 million people in the WHO European Region experienced long COVID in the first two years of the pandemic; millions may have to live with it for years to come(*1)